徒然なるままに。

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研究メモ④ 文献より4「サンプリングと選択アクセス」について

第3章について

 

ウヴェ・フリック , 鈴木 聡志 訳『質的研究のデザイン (SAGE質的研究キット) 』,2015. 第3章

「サンプリングと選択アクセス」について

 

はい。3章です。しかしながら、学術本の翻訳って本当に読みにくい(-_-;)

今まで学術系の文献でスラスラ読めた経験が全くと言っていいほど自分にはない。もちろん僕の理解力に原因もあるのだが、今回の章も何度も往復して読むことに…。

そんなんですから、理解力の浅い自分が書いているマニアックな当ブログを読んでくださる危険極まりない人のために、読みにくかった翻訳本のこの章のエッセンスだけでも簡略化してまとめることで、少しでも分かりやすく伝わるようにしていきたい。↓

 

 

この章では質的研究の「サンプリングと選択アクセス」について、今までの章と同じように様々な論文や筆者の経験を根拠に挙げながら説明している。といっても、中心の話題はサンプリングのこと。

 

  • 量的研究でのサンプリングと質的研究のサンプリングは違う。量的研究は無作為に定式化されて行われるが、質的研究ではこれとは違う論理で、より定式化されたり、より意図的に柔軟に行われたりする。 
  • 意図的なサンプリングには、極端な例や代表的な例を中心に取り上げたり、利便性を考えたりしてやる例などがある。
  • 質的研究におけるサンプリングには、事例や資料のサンプリングだけでなく、事例や資料内のサンプリングも意味している。取り上げた事例や資料の中から、さらにサンプリングを詳しくしていくってことかな。
  • 行き当たりばったり的なサンプリングはダメだけど、サンプリングをする中で柔軟さも求められてくる。
  • 実証的な調査を行いたいフィールドへのアクセスは重要 

→この章で書いている「アクセス」って言葉は、多分、調査対象へが研究者が信頼して接近していくことだと感じた。

要するに、研究したい対象と研究者が信頼関係を築き、研究フィールドのキーパーソンの人と研究のやり方やインフォームド・コンセントをしっかり明確化することで研究しやすくなるよ、というようなことを述べていたと思う。

それによってサンプリングもやりやすくなる。うん。まぁ当たり前のことですな。

 

 うーん…。要約した文をこれだけ並べてもわかりにくいな。まぁ、でも自分があとで要約を見て、記憶にひっかかり思い返せたりするなら、まぁ良いとしよう。読んでくれた人ごめんなさい。

 

…我々のサンプルは、研究したい対象の、研究対象者の経験とその現象との関わりにおける適切さを代表することが出来なければいけない。ほとんどの研究では経験と関わりの多様さに関心があるため、比較的中心的な事例や中核的な事例ばかりではなく、フィールドにおける多様性と研究対象との結びつきの違いも入手しなければならない。

…たとえば、研究プロジェクトの最初にサンプル構造を決めて、それを援用する、というようにはいかない。サンプリングの決定をステップバイ・ステップで行い、様々な目標を一つずつ追いかけてゆくほうがずっと楽である。(p38)』

 

 初めに計画ありきで、やらなくてもだいたいわかるような研究をコンピュータではじき出して、「ハイ数字で出せました!」じゃーー何だかつまらないよね。もちろんそうした研究の積み重ねが、学問として大切なのもわかる。

でも、質的研究の醍醐味の一つに多様性の証明があるのかな。研究対象やフィールドと深くかかわり、地道に変化を追い、その中で研究者側のリサーチクエスチョンも深まる。そしてサンプリングも変化をしていく。その中で見えてくる、分かってくることがある。

うん。研究する前に読んでいたら、より参考になったかもしれない、そして相変わらず今までの章と同じように理解が難しい三章でしたね(笑)。

つまらないことばかり書いてないで、次回は自分の小学生時代の続きを書こう課と思います。