読書記録① 月と六ペンス
「月と六ペンス」
読んだ本。
一回目がいきなり教育書ではなく失礼。
妻に薦められて読んだ本。通勤電車勉強の頭ほぐしで読んでましたが、一気に引き込まれました。世界的ベストセラー。
薄っぺらい謎解きや恋愛で物語は展開しません。語り手の私と主人公のストリックランド(画家ゴーギャンがモデルと言われてる)の人生に、多くの登場人物が絡み合います。一人一人の人物像と生きざまが丹念に描かれ、芸術に疎い私も、芸術と人の在り方を考えさえられる魅力ある作品です。
翻訳家の金原さんの筆力もありリズムよい会話とヨーロッパの風景、そして私の心の機微が描かれて展開されます。特に狂おしくも自身が目指す最終到達点に、全てのエネルギーを注ぎ込ストリックランドのキャラクターの魅力はすごい。
本当に力ある小説とはこういうことかと思わされました。題名の『月と6ペンス』の意味を考察すると共に、サマセットモームの別の本に手を伸ばしたくなる帰りの車内でした。
※この本には、現代では差別的ととらえられる表現もあります