徒然なるままに。

徒然なるままに日々のこと。なんちゃって教員の備忘録。

読書記録②『やり抜く力 GRIT(グリット)』 それでもGRITが育たない私。

読書記録②

『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース (著), 神崎 朗子 (翻訳)

 

 遅まきながら、ようやく読みました。周りで読んでいる人が随分多かったのと、書店にずっと平済みになっているので、関心をもったのが手に取った要因です。そして何より三日坊主主義な自分でも「GRIT」(やり抜く力)が身につくのではという下心をもったので…。

 

 まず、率直に言って「わかっちゃいるけどなー」ってな感想です 笑(-_-;)。

要するに『「コツコツ」「根性」が大切だよ』、『やり抜く力を育てるには目標をもって「意図的な練習」を続けなさい』、『親の育て方とか環境も影響するね』、というようなことを様々なデーターから説明をしてくれています。まぁ、なんだかんだ言っても、そうした日々の努力が大切なのは、分かってはいたのですがね笑。努力から逃げたい気持ちになったときに手に取ることで、やる気を起こしてくれる一冊になるかもしれません。

 

作者が著名な研究者な方だけに、様々な統計資料や研究成果、体験談をもとにGRITの説明をしているので、主張には説得力があります。ずば抜けた成果を収める人に対して、私のように人々が「彼は天才だから」の一言で済ませてしまうことが、逃げの口実であることがよくわかります。

 注目したいのは、GRITと幼少期の克服体験の関係や、子育ての関係についても記述されている所です。これは同僚や保護者の方々に紹介したら、とても興味を持って話を聞いてもらえると思います。よいネタが手に入りました笑

 

 みんなが何となくわかっている努力、日々の鍛錬の大切さに対して、しっかり科学的な裏付けをして発信をしたことは大変に価値があることで、教育を生業とし、現在、学問に従事している自分にとって見習うべき一冊であります。何より自分のように三日坊主主義の人々への警鐘を鳴らす一冊であることには間違いありません。さぁ三日坊主の貴方、共にGRITを育みましょう!

 

 

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読書記録① 月と六ペンス

「月と六ペンス」

読んだ本。

一回目がいきなり教育書ではなく失礼。

妻に薦められて読んだ本。通勤電車勉強の頭ほぐしで読んでましたが、一気に引き込まれました。世界的ベストセラー。

薄っぺらい謎解きや恋愛で物語は展開しません。語り手の私と主人公のストリックランド(画家ゴーギャンがモデルと言われてる)の人生に、多くの登場人物が絡み合います。一人一人の人物像と生きざまが丹念に描かれ、芸術に疎い私も、芸術と人の在り方を考えさえられる魅力ある作品です。

翻訳家の金原さんの筆力もありリズムよい会話とヨーロッパの風景、そして私の心の機微が描かれて展開されます。特に狂おしくも自身が目指す最終到達点に、全てのエネルギーを注ぎ込ストリックランドのキャラクターの魅力はすごい。

本当に力ある小説とはこういうことかと思わされました。題名の『月と6ペンス』の意味を考察すると共に、サマセットモームの別の本に手を伸ばしたくなる帰りの車内でした。

※この本には、現代では差別的ととらえられる表現もあります

 

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